犬の股関節の脱臼を知る
後足の付け根の関節が外れる病気
股関節の脱臼の症状
多くの場合は突然、犬が足をあげて歩く行為や、引きずって歩く行為を示し、痛みにある様子を見せます。
通常は、脱臼した足を地面から上げて歩きますが、日数がたつを、脱臼した足に軽く体重をかけて歩くようにもなることがあります。
股関節の脱臼の原因
骨盤を形成している股関節に交通事故や、何らかの原因(落下や強打など)によって大きな負荷が加わると骨どうしをつないでいる靭帯が切れて骨が外れてしまいます。
犬に股関節の脱臼がよく見られる理由は、大きく動く股関節を内側から支える靭帯があるだけで、外側から支える靭帯がないことや股関節を固定する靭帯の力が弱いことなどがあげられます。
また、事故など以外には、股関節形成不全などのが原因で2次的に股関節の脱臼が起こることもあります。
股関節の脱臼の予防・診断・治療
診断
犬の歩き方を観察し、犬を立たせた状態で股関節の触診を丁寧に行います。
肥満した犬では難しいこともありますが、この診断で大体どの方向に脱臼しているかが分かります。
また骨折を伴っていないかを確認するためにX線撮影によって診察を行います。
治療
骨折を併発していない場合は、犬に全身麻酔をかけて、皮膚の上から股関節を元に戻す修復を行います。
早期に処置を行い、2~3日は家庭でゲージの中で安静にすれば回復します。
その後再び同じ場所を脱臼する時は、再び股関節を元に戻した後に、しっかりと固定を行い、足を動かさないようにして、安静にします。
しかし、皮膚に上からでは元に戻せない時や、骨折を伴っている場合、時間がたってしまった脱臼の場合などは、手術によって直接、股関節を修復することもあります。